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試験・検査依頼時の重要ポイント4選

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依頼内容も依頼先も決まって、あとはプロにお任せすればOK!

となればいいのですが、スムーズに進行するためには、依頼時に必要な情報を伝え、十分な準備をする必要があります。

少し煩わしいかもしれませんが、余計な業務の発生を防ぐためにも重要な内容になりますので一読いただけると幸いです。

依頼時に必要な情報を伝え、十分な準備をするメリット

メリット

”無駄な時間と労力の削減”

これにつきます。

例えば、依頼時の情報が不十分で試験の進行に支障がある場合、確認の連絡が必要になります。

すぐに内容を把握できればまだ良いですが、依頼担当者では判断できない内容であったり、検体が手元にないから確認できないというような状況になった場合、関係各所への連絡、検体の取り寄せなどの業務が発生しますよね。

確認中は当然、試験・検査はストップしてしまいます。せっかく納品スケジュールから逆算して依頼したのに無意味になってしまうかもしれません。

お金を払って外注しているのだから、依頼を出した後は別の業務やリフレッシュの時間に充てたいですよね?

以下では、余計な業務を増やさないための、依頼時に意識したいポイントを紹介します。

依頼時の重要ポイント4選

ポイント
  1. 試験・検査依頼の目的を伝える
  2. 希望の試験方法(規格)を伝える
  3. 必要な検体数(量)を不足なく用意する
  4. 試験・検査についての内容をある程度理解しておく

順番に見ていきましょう。

1.試験・検査依頼の目的を伝える

「テスト機関は、あなた達の商品について何も知りませんし、なぜ試験・検査が必要なのかも知りません。そう、説明をされるまでは。」

極端な例ですが、「ホルムアルデヒドの試験をしたい。」とテスト機関の人間に伝えても、「何のホルムアルデヒドの試験ですか?」と聞かれてしまうでしょう。

ホルムアルデヒドは人体に有害な物質として様々な法令や、規格、基準などで規制されています。そのため、「ホルムアルデヒドの試験をしたい。」という情報だけでは、試験を進められません。依頼者へ内容の確認が必要になります。

では、試験・検査依頼の目的を伝えるとどうでしょうか。

例えば、

「日本で販売予定の乳幼児用の靴下について、法律で定められた基準値を満たしているか確認するためホルムアルデヒドの試験をしたい。」

依頼内容に、その目的が盛り込まれています。これであれば、テスト機関側は迷うことなくスムーズに試験を進行できます。

本来なら各テスト機関の依頼書フォーマットに、依頼目的を記入する欄があってもいいのではないかと思うのですが、現状では採用されていないようですね。

少し難しいかもしれませんが、少なくとも以下の2点を伝えられると良いと思います。

  • 依頼品の用途は何か(最終製品は何か)
  • 何を確認したいのか

中国人スタッフに誤解なく伝えるのが一番難しい・・・

そんな方は、ぜひこちらの記事をご覧ください!

2.希望の試験方法(規格)を伝える

主要な物性試験の一つである「引張試験」を例に考えてみたいと思います。

試しに、JISC(日本産業標準調査会)のウェブサイトで、JIS規格名称からJISを検索してみました。

検索ワードは「引張」です。(この場合、規格名称に”引張” という言葉が入っているものが検索結果に表示されます。例:コンクリートの割裂引張強度試験方法)

その結果、なんと87件もヒットしてしまいました。JISだけでこれほどあるので、海外規格や業界基準などを含めると把握しきれないくらいの数が存在することが予想されます。

何が言いたいかというと、「引張試験」という言葉だけでは、試験方法が特定できないということです。これは他の試験でも同様です。

依頼の際に、試験方法(規格)を正確に伝えることの必要性がお分かりいただけたでしょうか。

ちなみに、同一規格の中に「A法」や「B法」など、複数種類の試験方法が存在していることもありますので注意深い確認が必要です。

3.必要な検体数(量)を不足なく用意する

実際、検体不足により試験・検査が進められないということは頻繁に起こります。

確かに、試験・検査の中には、提供された検体から必要分の試験片を採取できるかどうかは実際にやってみないと分からない、というものも存在します。

この場合もあらかじめ多めに用意しておくに越したことはないのですが、特に気を付けたいのは下記のような例の場合です。

「耐候性試験後の外観変化を試験前の検体と比較したい」という場合、試験後の検体と試験前の検体を並べて比較するためには、ほぼ同一の検体が少なくとも2点は必要であることが分かります。(1点は試験用、1点は比較用)

実際、このような依頼であっても検体の用意が1点しかなく、取り寄せてもらって時間を使ってしまうケースを本当に多く経験しました。

これについては、試験方法を考えればある程度予測できることですので、依頼時、もしくはそれ以前にしっかりと確認しておくと良いでしょう。

4.試験・検査についての内容をある程度理解しておく

言いたいことを何となく理解されている方もいるかと思いますが、依頼する試験・検査の内容をある程度理解しておくことで、上記の2と3を押さえることができます。

試験方法を正確に伝えられますし、標準化された試験規格では必要な検体数(量)も書いてありますからね。

ここではもう1点お伝えしたいことがあります。

報告書が発行されてからの時間のロスも軽減できます。

こんな経験はないでしょうか。

報告書に記載されたデータを見て、「この数字が大きい方がいいのか、小さい方がいいのか分からない。単位の意味もよく分からないな。よし、テスト機関に聞いてみよう。」

これも、時間がもったいないですよね。知っていれば時間を使わずに解決できることですからね。

しかも、事前に調べることができるものが多いですし、何より、会社のお金とは言え、何もわかっていないものにお金を払うのって怖くないですか?

こういった意味でも試験・検査についての内容をある程度理解しておくということは非常に重要だと感じています。

最後に

いかがでしたでしょうか。依頼する側の立場の方からしたら耳が痛い内容だったかもしれませんね。

ただ、今回挙げた下記の4点を押さえておくと本当にスムーズに進行できるようになると思います!

  1. 試験・検査依頼の目的を伝える
  2. 希望の試験方法(規格)を伝える
  3. 必要な検体数(量)を不足なく用意する
  4. 試験・検査についての内容をある程度理解しておく

もちろん、自力で調べるのには限界があります。そんな時はテスト機関を頼りましょう。聞くだけならタダのところが多いですからね。

「キーワード欄」には具体的な「試験名」「規格名」「訴求文言」、「タグ欄」からは「アイテム名」「性能の種類」を選択してください!

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今日もお仕事お疲れ様です!

プロフィール
この記事を書いた人
あたろう

某国立大学院(理系)を修了後、検査機関の職員として勤務。
ニッチで閉鎖的な業界ということもあり、ネット上に情報が少なく不便に感じる。
業界内の人間がそうなのだから、依頼者側からしたら、より分からないことが多いのでは?と考える。
それならば、「自分が調べて学んだ知識」や「調べ方」などのお役立ち情報を提供しようと当サイトを立ち上げる。
当サイトのテーマは「商品テスト(試験、検査)の攻略サイト」である。

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