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【検査・試験】報告書の見方<単位編>

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見慣れない文字列や記号だらけで訳が分からないです、、、

依頼先から送られてきた報告書に対してこんなことを感じた経験はありませんか?

私自身、報告書の見方に関する問い合わせも多くいただきました。

本記事では、上記のような悩みを解決できるような報告書の見方のコツを紹介していきますよ!

多くの方がつまづく共通点

実際に依頼者から問い合わせを受ける中で「報告書の見方が分からない」という方々には以下の共通点があることに気が付きました。

  • 単位の意味が分からない

確かに試験報告書には学生時代の授業や日常生活では見かけないような単位が多用されます。

初見で理解できないのは仕方ないかもしれませんが、

すでにすべての結果が記された報告書が手元にあるのにも関わらず、理解ができないからという理由でテスト機関に問い合わせるのって時間がもったいないと思いませんか?

これより先では、基本的な単位の考え方や見方のコツを紹介していきます。

中国人スタッフに誤解なく伝えるのが一番難しい・・・

そんな方は、ぜひこちらの記事をご覧ください!

単位について

※少し難しい話をしていますが、伝えたいことは以下の3点です。

  • すべての単位を覚える必要はありません。
  • 必要な時に調べることができればOKです。
  • ここでは「調べ方」を知ってください。

まず、試験結果として扱われる単位の多くは「計量単位」のことを指します。

計量単位とは
  • 計量の基準となるもの
計量とは
  • 計量法において、長さ、質量、時間など、数値でその大きさを表すことができる事象や現象(「物象の状態の量」という)を計ること

また、計量単位は以下の4種類に分類されます。

  • SI単位(国際単位系)に係る計量単位
  • SI単位のない量の非SI単位
  • SI単位のある量の非SI単位
  • 用途を限定する非SI単位

これらは、経済産業省ウェブサイト(外部サイトにリンクします)で内容を確認できます。

また、各単位の読み方、記号、定義などは「計量単位令」(外部サイトにリンクします)「計量単位規則(外部サイトにリンクします)」で確認可能です。

なお、SI単位とは国際単位系のことで、日本産業標準調査会ウェブサイトでは以下のように説明しています。

SI [International System of Unit: 国際単位系]

すべての国が採用しうる一つの実用的な単位制度。国際単位系は、7個の基本単位、2個の補助単位及びそれから組立られる組立単位(以上をSI単位と呼ぶ)並びにそれらの10の整数乗倍からなる。

出典:日本産業標準調査会ウェブサイト (https://www.jisc.go.jp/dictionary/index.html#ALS03)

単位を分かりにくくしている要因2選

ここまでお読みいただいた方は様々な単位の意味や読み方を調べることができるようになったと思います。大きな一歩です。でも、まだ「単位って分かりにくくて苦手だな~」と思う方がおられることも理解しています。

ここでは私が考える、「単位を分かりにくくしている要因」について解説したいと思います。

単位を分かりにくくしている要因
  1. 接頭語
  2. 「・」「/」

順番に見ていきましょう。

接頭語

ややこしいことを言いますが、接頭語は単位ではありません。

接頭語を簡単に言うと、「0」の数を減らして桁数の多い数字を見やすくするための記号です。

具体的には、下記のようなものがあります。

T(テラ) G(ギガ) M(メガ) k(キロ) m(ミリ) μ(マイクロ) n(ナノ)

また、上記の各記号は10の整数乗を表しており、それぞれ下記の関係があります。

T=1012 G=109  M=106  k=103  m=10-3  μ=10-6  n=10-9

例えば、

7000000000000という数字を見せられてもぱっと見では分かりにくいですよね。

これを7×1012 と表記するとすっきりしますし、7テラ(T)の方が読みやすいですよね。

ちなみに

0.1から1000のオーダーになるように適切な接頭語を用いることが多いです。

なお、接頭語にはまだ種類がありますが、上記のT(テラ)からn(ナノ)くらいまでをよく目にするな~という印象です。

接頭語に慣れてくると、試験結果の数字がどれくらいの規模感の話をしているのか分かるようになって試験結果の理解がはかどりますよ!

「・」「/」

「・」は掛け算です

例えば、熱量(J)=ワット秒(W・s)という関係性が成り立ちますが、

右辺を別の表し方にすると、熱量(J)=電力(W)×秒(s)となります。

適当に具体的な数字を入れると、【熱量】50(J)=【電力】10(W)×【秒】5(s)となります。

整理すると、50(J)=10×5(Ws)です。

数字だけではなく単位も一緒に掛け算した結果を「・」で表現しているだけ!

「・」についてはここまでです。

 

続いて、 

「/」は割り算です

例として、速さの公式を考えてみましょう。

速さ(m/s)=移動距離(m)÷時間(s)

こちらも掛け算の時と同じです。

数字だけではなく単位も一緒に割り算した結果を「/」で表現しているだけ!

 

「/」が使われているタイプの単位の見方のコツ

まず、分母(速さの公式では時間(s)にあたる部分)に注目して分母の数字を「1」とします。

そして「1単位あたりの」と読みます。速さの公式の場合は「1秒(時間)あたりの」です。

次に「1単位あたりの」の後ろに分子を付け足します。

速さの公式では移動距離(m)です。

繋げると「1秒(時間)あたりの移動距離(m)」です。

「1秒(時間)あたりの移動距離(m)」が大きい(もしくは小さい)と速いのか、はたまた遅いのか、何となくイメージできますよね?

「はじめまして」の他の単位でも同じように考えたら、「大小どちらの方が良い結果となる試験なのか」イメージできるようになりますよ!

初見の単位を自力で理解できると賢くなった気がして気分もいいですよ。

自分の知っている土俵で考えてみましょう

ここまで読んでいただければ、単位が表すイメージを何となく掴めるようになったと思います。

でも結局のところ、なじみのない単位は頭で分かっても体が理解できないような感じがありますよね。

そんな時は、単位換算をして、自分の知っている土俵で考えてしまいましょう。

速度100(mph)では実際どれほどの速さなのか、経験から想像することは難しいですが、

単位換算して、約160(km/h)であればイメージしやすいですよね。

こんな風に自分の知っていること、得意なことに落とし込んで考えるのは大事ですよ!

最後に

分からないことを自分で調べられる力を身に着けることがとても重要だと思っていますが、同様に人に頼ることも重要だと考えています。

調べるのと聞くのはどちらが効率が良いか、状況によって違うと思いますが、「どちらもできる」という選択肢を持っておくことはとても良いことです。

長々と書いてしまいましたが、皆様の苦手が少しでも克服されれば幸いです!

本日もお仕事お疲れ様です!

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プロフィール
この記事を書いた人
あたろう

某国立大学院(理系)を修了後、検査機関の職員として勤務。
ニッチで閉鎖的な業界ということもあり、ネット上に情報が少なく不便に感じる。
業界内の人間がそうなのだから、依頼者側からしたら、より分からないことが多いのでは?と考える。
それならば、「自分が調べて学んだ知識」や「調べ方」などのお役立ち情報を提供しようと当サイトを立ち上げる。
当サイトのテーマは「商品テスト(試験、検査)の攻略サイト」である。

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