検査依頼をすると「〇〇規格」や「××基準」という言葉をよく耳にすることになります。
規格とか基準ってなんだか難しそうでよくわからないよ~
初めのうちはこんな風に思ってしまいますよね。
そんな方のために、この記事では検査における、規格・基準について分かりやすいく解説していきます!
規格・基準とは
「試験方法」や試験によって得られた「データの良し悪しを決めるためのルール」を定めたもの。
※「規格」と「基準」は厳密には異なるものですが、ここでは大まかには同じものとして取り扱います。
なぜ規格・基準が必要なのか
商品テストにおいて、「規格・基準が必要な理由」の一つとして下記が挙げられます。
取引や品質管理を簡潔にするため。
例えば、その商品が頑丈であることを売りにして、商品説明をしようとする場合、
「人間の手で引張ったり、叩いたりしても壊れなかった。」と伝えても「どのように引張ったのですか?引張速度は?掴み間隔は?その方法で壊れなかったことが、商品の耐久性を保証する根拠は?」という確認をされるのがオチです。
聞くのも説明するのもウンザリですよね・・・
一方で「JIS〇〇に規定された耐久性試験を実施して、△△という基準に適合している。」と伝えたらどうでしょうか。
その業界で一般的に使われている規格・基準であれば一発で話が通じます。
前者と比較してかなり簡潔になりましたね。
また、一定以上の品質の商品を販売したい場合、あらかじめ品質の基準を決めておくことで、品質管理が容易になります。
このように、取引や品質管理を簡潔にするために、規格・基準が必要であることが分かります。
中国人スタッフに誤解なく伝えるのが一番難しい・・・
そんな方は、ぜひこちらの記事をご覧ください!
規格・基準の種類
規格・基準の種類は大きく分けると以下の3パターンに分類できます。
- 法令で定められた基準
- 国際規格、地域規格、国家規格
- 業界規格、業界基準
法令で定められた基準
法令により試験方法や基準値が定められているものです。
一例として以下のものを示します。
- 食品衛生法
- 消費生活用製品安全法(PSCマーク)
- 電気用品安全法(PSEマーク)
- 有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律
- 建築基準法
国際規格、地域規格、国家規格
国や地域ごとに独自に制定された規格などを指します。
一例として以下のものを示します。
- ISO規格:国際標準化機構(International Organization for Standardization)
- IEC規格:国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission)
- JIS:日本産業規格(Japanese Industrial Standards)
- ASTM規格:米国試験材料協会(旧称 American Society for Testing and Materials)
- EN規格:欧州規格
- DIN規格:ドイツ規格協会(Deutsches Institut für Normung)
- GB:中国国家規格
- ASME:米国機械学会(The American Society of Mechanical Engineers)
- RoHS指令(Restriction of the use of certain Hazardous Substances in electrical and electronic equipment))
- REACH規則:(Registration, Evaluation, Authorization and Restriction of Chemicals)
業界規格、業界基準
業界や企業により制定された規格・基準などを指します。
一例として以下のものを示します。
- 玩具安全基準<STマーク>(一般社団法人日本玩具協会)
- SGマーク(一般財団法人製品安全協会)
- SEKマーク(一般社団法人繊維評価技術協議会)
- JUPA基準(日本洋傘振興協議会)
- JPPMA(一般社団法人日本ペット用品工業会)
- SV規格(壁紙工業会)
- Sマーク(電気製品認証協議会)
- SIAA(抗菌製品技術協議会)
- JACA規格(日本空気清浄協会)
- JASO規格(自動車技術会)
- SJAC規格(日本航空宇宙工業会)
- TAS規格(日本機械工具工業会)
まとめ
- 規格・基準とは「試験方法」や試験によって得られた「データの良し悪しを決めるためのルール」を定めたもの。
- 規格・基準は取引や品質管理を簡潔にするために必要。
- 規格・基準の種類は大きく分けると「法令で定められた基準」「国際規格、地域規格、国家規格」「業界規格、業界基準」の3種類が存在する。
検査依頼をするときは「〇〇規格の△△試験で!」と詳細に伝えると検査機関の人が喜びます!
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初めての検査依頼で何をどうしたらいいか分からない方へ。
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