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紫外線・UV対策製品の表示と検査機関

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この記事で分かること
  • 実際に販売されている商品の紫外線・UV遮蔽性能に関する表示
  • 商品の「効果・性能」を表示する際の注意点
  • 紫外線・UV遮蔽性能に関する試験の概要
  • 試験依頼ができる検査機関

紫外線を遮り、快適に過ごすために不可欠な紫外線・UV遮蔽性能を有した製品。

今ではかなり身近なものになっていますよね。

この記事が、紫外線・UV遮蔽性能を訴求した製品の開発、広告、販売に関わる方の助けになることを心より願っております。

市販の紫外線・UV対策製品の表示

オンラインショップや実店舗にて調査したところ以下のような表示が見られました。

  • UV〇〇%カット(〇〇は数字)
  • UVカット率〇〇%(〇は数字)
  • UVカット
  • 紫外線カット
  • 紫外線対策
  • 紫外線遮蔽率〇〇%以上(〇は数字)
  • UPF〇〇(〇は数字)
  • 紫外線遮断
  • 紫外線防止効果

商品の種類としては帽子、日傘、マスク、手袋が多い印象でした。

中国人スタッフに誤解なく伝えるのが一番難しい・・・

そんな方は、ぜひこちらの記事をご覧ください!

商品の優良性を表示する際に知っておくべきこと

原則として「合理的な根拠」は、あらかじめ事業者が有しているものと考えられています。

そのため、事業者は「合理的な根拠」とは何かを理解しておく必要があります。

不実証広告ガイドラインでは、「合理的な根拠」の判断基準を以下の要件を満たすことしています。

①提出資料が客観的に実証された内容のものであること。

②表示された効果、性能と提出資料によって実証された内容が適切に対応していること。

出典:不当景品類及び不当表示防止法第7条第2項の運用指針―不実証広告規制に関する指針― 
(https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/representation_regulation/misleading_representation/not_demonstrated_ad/)

また、上記①の「客観的に実証された内容」とは、以下のいずれかに該当するものとしています。

①試験・調査によって得られた結果

②専門家、専門家団体若しくは専門機関の見解又は学術文献

出典:不当景品類及び不当表示防止法第7条第2項の運用指針―不実証広告規制に関する指針― 
(https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/representation_regulation/misleading_representation/not_demonstrated_ad/)

さらに、上記①の「試験・調査によって得られた結果」の例として以下のものが挙げられています。

・ 日用雑貨品の抗菌効果試験について、JIS(日本工業規格)に規定する試験方法によって実施したもの。
・ 自動車の燃費効率試験の実施方法について、10・15モード法によって実施したもの。
・ 繊維製品の防炎性能試験について、消防法に基づき指定を受けた検査機関によって実施したもの。

出典:不当景品類及び不当表示防止法第7条第2項の運用指針―不実証広告規制に関する指針― 
(https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/representation_regulation/misleading_representation/not_demonstrated_ad/)

「根拠」や「裏付け」のことをエビデンス(evidence)と呼ぶことがあります。

エビデンスの提出を求められたら「合理的な根拠」である試験データ等を提出しましょう。

以上が「商品の優良性を表示する際に知っておくべきこと」でした。

紫外線・UV対策製品に関する試験

紫外線・UV対策製品に関する代表的な試験として下記のものがあります。

JIS L 1925(繊維製品の紫外線遮蔽評価方法)

紫外線遮蔽試験の基本的な考え方

紫外線遮蔽率

特定の波長領域の紫外線を試料に照射します。

この時、紫外線が試料を透過する割合を算出します。(透過率)

例えば、試料に届く前の紫外線の総量を100%としたとき、透過率が10%であれば、

紫外線遮蔽率は90%となります。

UPF(紫外線防護係数)

特定の紫外線波長領域における試料の透過率に、太陽光による皮膚への影響度合い等を加味して算出した係数です。

算出された結果から、格付け(UPF50など)が行われます。

紫外線・UV対策製品に関する試験の依頼が可能な検査機関

試験において、客観的であることはとても重要な要素です。

事業者自ら行った試験であっても、適切に実施されたものであれば客観性が確保されますが、一般的には第三者機関が適切に実施したものの方が、より客観性が高いとされています。

ここでは、紫外線・UV対策製品に関する試験の依頼が可能な検査機関をご紹介します。

(一財)ケケン試験認証センター

試験の可否
JIS L 1925
(繊維製品の紫外線遮蔽評価方法)
  • 特に毛(獣毛)製品に強み◎
  • ISO 9001取得機関
  • JNLAまたはISO/IEC17025認定機関

(一財)ケケン試験認証センターホームページ(外部サイトへリンクします)

(一財)カケンテストセンター

試験の可否
JIS L 1925
(繊維製品の紫外線遮蔽評価方法)
  • 繊維製品試験、検査の大手◎
  • ISO 9001取得機関
  • JNLAまたはISO/IEC17025認定機関

(一財)カケンテストセンターホームページ(外部サイトへリンクします)

(一財)ボーケン品質評価機構

試験の可否
JIS L 1925
(繊維製品の紫外線遮蔽評価方法)
  • 繊維製品試験、検査の大手◎
  • ISO 9001取得機関
  • JNLAまたはISO/IEC17025認定機関

(一財)ニッセンケン品質評価センター

試験の可否
JIS L 1925
(繊維製品の紫外線遮蔽評価方法)
  • エコテックス認証機関◎
  • JNLAまたはISO/IEC17025認定機関

一般財団法人 ニッセンケン品質評価センターホームページ(外部サイトへリンクします)

(一財)日本繊維製品品質技術センター

試験の可否
JIS L 1925
(繊維製品の紫外線遮蔽評価方法)
  • IDFB認定試験機関
  • ISO 9001取得機関
  • JNLAまたはISO/IEC17025認定機関

最後に

今回ご紹介した内容は、あくまで基本的な考え方の一例です。

実際には表示の一部ではなく、表示全体から受ける印象によって、各商品ごとに必要な根拠等は異なります。

また、冒頭の「市販の紫外線・UV対策製品の表示」について、当サイトではこれらの表示を推奨するものではありません。

詳細については専門家へご相談ください。

それでは、本日もお仕事お疲れ様です!

試験・検査機関の選び方はこちらの記事で解説しています!

迷っている方は参考にどうぞ!

依頼時に知っておくと試験・検査機関の方とのやり取りが少し楽になるかも!?

試験・検査依頼をスムーズに完結させたい方はこちらの記事を参考にどうぞ!

プロフィール
この記事を書いた人
あたろう

某国立大学院(理系)を修了後、検査機関の職員として勤務。
ニッチで閉鎖的な業界ということもあり、ネット上に情報が少なく不便に感じる。
業界内の人間がそうなのだから、依頼者側からしたら、より分からないことが多いのでは?と考える。
それならば、「自分が調べて学んだ知識」や「調べ方」などのお役立ち情報を提供しようと当サイトを立ち上げる。
当サイトのテーマは「商品テスト(試験、検査)の攻略サイト」である。

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