繊維製品の品質管理において頻出する「染色堅ろう度」の1種に酸素系漂白堅ろう度があります。
酸素系漂白堅ろう度とは
簡単に言うと、酸素系漂白剤を用いた洗濯に対する染色の耐久性です。
ここでの「染色の耐久性」とは以下の内容を指します。
- 試料となる染色物自身の変色のしにくさ(色褪せ等)
酸素系漂白堅ろう度試験について
酸素系漂白堅ろう度試験はJIS(日本産業規格)でその試験方法が定められています。
規格番号と規格名称を下記に示します。
規格番号:JIS L 0889
規格名称:酸素系漂白剤を用いる洗濯に対する染色堅ろう度試験方法
酸素系漂白堅ろう度試験では試験片を試験用の容器に試験液(酸素系漂白剤)とともに入れます。
この容器を試験機に取り付け、規定の速度で回転させます。
処理条件は、60℃で30分間です。
その後、試験片を取り出し、水洗い・脱水・乾燥させた後、変退色の級数を判定します。
- 変退色=試料となる染色物自身の変色のしにくさ(色褪せ等)
中国人スタッフに誤解なく伝えるのが一番難しい・・・
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試験結果は5級から1級まで9段階の級数で表されます。4級と5級の間の級数は「4-5級」と表記され「よんごきゅう」と呼ぶことが多いです。「3-4級」は「さんよんきゅう」、「2-3級」は「にさんきゅう」、「1-2級」は「いちにきゅう」と呼ぶ人が多いです。
また、変退色、汚染ともに級数の数字が大きい方が堅ろう度が良い結果といえます。
酸素系漂白堅ろう度試験を実施するメリット
酸素系漂白堅ろう度は前述したとおり、酸素系漂白剤を使用した洗濯に対する染色の耐久性を表しています。
そのため、酸素系漂白堅ろう度が悪いものは、いつもより念入りに汚れ落としをしようと、酸素系漂白剤を用いて洗濯した際に色が変化してしまい外観を損ねることで、消費者クレームの原因になることがあります。
事前に試験をしておくことで、このようなクレームを未然に防ぐことができるのが酸素系漂白堅ろう度試験を実施するメリットの一つであり、試験を実施する目的であると考えられます。
酸素系漂白堅ろう度試験を実施している検査機関
酸素系漂白堅ろう度試験を実施している代表的な検査機関は下記となります。
- 一般財団法人 カケンテストセンター
- 一般財団法人 ケケン試験認証センター
まとめ
- 酸素系漂白堅ろう度は、簡単にいうと酸素系漂白剤を使用した洗濯に対する染色の耐久性。
- 酸素系漂白堅ろう度試験では、変退色のみを評価する。
- 酸素系漂白堅ろう度試験を実施しておくことで、酸素系漂白剤を用いて洗濯した際に色が変化してしまい、消費者クレームに繋がることを未然に防ぐことができる。
酸素系漂白剤は金属と反応しやすいです!
含金染料を使用しているものは要注意です!
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